留学生同士でも、理解し合えるとは限らない。
日本からの交換留学生5人中、
6~12年海外で暮らしていた帰国子女が3人。
英語が売りの高校に入って一年留学、英語だけで大学受験をした人が1人。
4人とも、日本の大学で、全ての授業を英語で受けている。
長期間海外で暮らした経験がないのも、
日本の大学で英語とほぼ無縁の生活を送っていたのも私だけだ。
彼女たちから時々聞かれること。
「何で単位交換できないのに留学したの?」
「何で休学してまで留学したの?」
驚いた顔で聞かれるが、こっちだってびっくりだ。
何で英語しゃべれるのに留学したの?
留学の意義を分かっていないの?
そう問いたい。
「尊敬する人に留学を強く勧められた」
動機は不純だったかもしれないが、カナダに来てから、私は結構頑張った。
現地の友達をたくさん作った。
サッカークラブに入った。
毎週末パーティーへ行った。
ルームメイトと喧嘩した。
休学したのだから、時間を無駄にはできない。
1年という限られた時間の中で、できるだけ英語力を伸ばしたい。
カナダの生活にどっぷりとつかりたい。
そう思った私は、日本人を避けた。
毎日必ずカナダ人と会話した。
一方、他の交換留学生にとって、英語はできてアタリマエ。
彼女たちの目標はいい成績をとって、
日本の大学に単位をトランスファーすること。
だから、日本人や留学生同士でつるむ。「カナダ人がどういう生活してるのか全くわからない」と言うくらい、現地人との接触は少ない。
目的が違うのだから、どっちがいいとは言えないけれど、
英語ができなくて、留学しようと思っている人には、
勇気を出してその国の文化に飛び込むことを勧めたい。
昨日、「留学してよかったと思う?」
と聞かれたけれど、心からそう思うよ。
・ホームシックで、1週間泣き続けた。
・ディスカッションで、一言も発言できなかった。
・パーティーで、誰にも相手にされなかった。
・レポートでC-をとった。
・英語を聞き返したら、露骨に嫌な顔をされた。
辛かったけれど、これらのことを経験できて本当によかった。
ちょっとは優しくなれたかな。強くなれたかな。
嫌だったことの何倍も、うれしいことがあった。
・サッカーのチームメートが優しい。
・泣いたら、友達が抱きしめて慰めてくれた。
・友達が歌を作ってプレゼントしてくれた。
・スラングをたくさん覚えた。
・毎日、ランチを一緒に食べる友達がいる。
・日本語クラスの生徒が「ふゆみ先生好きです」とメッセージをくれた。
・6キロ太ってカナダ基準の魅力的な女になった。
ステキな人たちにめぐり合えたことに、心から感謝している。
「カナダに残る理由がない」と言った帰国子女の子と違って、
私はまだまだ帰れない。
自分のサッカーのチーム名「Akuna Drillers」さえ満足に発音できないんだもの。
それに、日本基準の体型に戻さなくっちゃ。。